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三態の富貴名誉 『菜根譚』

「菜根譚」中村璋八、石川力山 講談社学術文庫
『菜根譚』は今から三百数十年前、中国明代の洪自誠が人間いかに生くべきかを、様々な角度から論じた人生指南の書である。本書は、「儒・仏・道」の三教を根幹とする『菜根譚』の真髄を体得して日常生活の指針とするため、儒・道教の専門家と仏教、特に禅学を専攻する学者の2人が、長年に亙り原典を全面的に見直し、これを究明し、その成果を新たに書き下ろしたものである。現世を生きぬく知恵と処世の極意が満載された必読の書。
60.三態の富貴名誉
富貴名誉の、道徳より来る者は、山林の中の花の如し。自ずから是れ舒徐繁衍す。功業より来る者は、盆檻の中の花の如し。便ち遷徒廃興有り。若し権力を以て得る者は、瓶鉢の中の花の如し。其の根植えざれば、其の萎むこと、立ちて待つべし。
【訳文】徳望によって得られた富貴や名誉は、自然の山や野に咲く花のようなものである。それは、自然の枝や葉が伸び、自由自在に茂ってゆく。
これに対して、事業の功績によって得られた富貴や名誉は人口の植木鉢や花壇の花のようなものである。それは、移しかえたり、拾われたりして、人間の心に左右されてしまうものである。もし権力によって得られた富貴や名誉であったならば、花瓶に差した切り花のようなものである。それは根がないのであるから、やがてしぼんでしまうのは目に見えている。


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